魔女の封印<上><下>
「魔女の封印<上><下>」大沢在昌
(2018年12月4日初版発行)
(2018年12月4日初版発行)
こんな人にオススメ
〇格好いい女性の話が読みたい人
〇裏社会と国の闇の繋がりで謎を解決していく物語が好きな人
〇頭の良い人のやりとりが好きな人
今回、あらすじで結構突っ込んだことまで書いてしまっているので今回乗っけませんでした。
シリーズものの第3弾なのですが、前2つは読んだことがないスタートではあったのですが、楽しめました。
ちょっと最初に登場人物が怒涛の勢いで出てきて混乱しましたけど笑
この小説は裏社会を生きる女性、水原の話です。
水原はどのような人でも、一目見ただけでその性格や本質を見抜けるという特技があります。
そんな水原が初めて見抜くことのできなかった男性、堂上と出会うことで様々な思惑が交差し展開していくストーリーとなっています。
最近は、あまり考えなくても読める小説を雰囲気で楽しむことが多かったのでこのような、しっかり考えながら読まないと、登場人物たちの置かれている環境が整理できない本は刺激的でした。そういう本であればあるほど、その小説内の背景や歴史が存在しており、世界が確立されていてそこは魅力的でしたね。
激熱ポイントとしては、水原のキレッキレさです。
何度も死線を潜り抜けており、肝の座り方や状況判断能力は超一級品です。
そんな彼女が身分や役職に囚われず多くの人にズバズバと言っていくため、読者は彼女の魅力に虜になること間違いなしです。
勿論、水原だけでなく、周辺の何人かの人物もそれぞれの頭を駆使しつつストーリーが巡っており、高度な知能戦が随時行われています。
その緊張感たるや、いつのまにか僕自身も現場に居合わせているかのような没入感がありページをめくる手が止められませんでした。
普段、こういったギャング?系の小説を読むことは多くないので、たまにはこういうのも面白いなぁと思いました。
一方で、読みつつも頭が回らない時があり悔しかったので、自分自身も水原に負けないような機転と臨機応変さを身に付けなくてはと思い知らされました。